「蒼井優がナニモノなのか、終始掴めない」という感想が頭に浮かんだ瞬間に、
「私は何なのだろうか」という台詞が突然来て、ぐっと引き込まれた。
詩と、お伽話と、音楽と、景色とを溶かして混ぜてしまったような作品。頭を空っぽにして時々少し大きめの画面で眺めたいような。
誰にでもお勧めするような作品ではないけれど、個人的には大好きだった。
音楽がいいなぁとおもって調べたら、スタジオジブリのドキュメンタリー「夢と狂気の王国」などの映画音楽も担当されている高木正勝さんによるものだった。＞＜
"たまたま長い時間をかけて地球ができて、
たまたま酸素やら二酸化炭素ができて、
たまたま人間が生まれて、
たまたま氷河期やら戦争やらを生き残った人間がいて、
たまたま父さんと母さんが出会って、
たまたまじゃなく恋に落ちて、
たまたまわたしが生まれた。
そしてたまたま君に出会って、
たまたま何かが始まった。
たまたま。
すべては嘘のような確率で存在している。
それってちょっと怖くなるくらい、
どきどきするし、わくわくする。
わたし達の世界は気まぐれで、
うれしいこと、悲しいこと、たくさんあって、忙しい。
忙しいと、大事な気持ちまで忘れてしまいそうになる。"
