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俺の背中に陽が当るのtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

俺の背中に陽が当る(1963年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ヒッチコックのファミリープロットをおもいだした。糠味噌くさい純愛コンビの二人が非日常な暗黒街アクション設定世界に転生するんだけども。地下室にしても組事務所にしても。非日常空間なんら照明カメラワークやセット美術が異空間をかもしだすとかの工夫されているわけではない。仮面ライダーですらもっと凝っていた。ただただ。二人のもはや戦前無声映画かよな表現主義ともいえる異形で過剰なサスペンス演技ホラー演技ショック演技そればかりがめだつ。だからハードなテイストをもりこんだ純愛映画。つまりヌーヴェルヴァーグになっていないといけないはずなのに。しかしそうなってはいない。ゴダールでスタイリッシュな紅の流れ星とは正反対。まるでポランスキーかベルイマンかの。異常心理映画。そう。おなじみの二人がまるでヤクか性愛にとりつかれ狂いどこまでもおちてゆくように暴力の幻影にとりつかれ。狂いどこまでもおちてゆく。いや内田良平の亡霊か。そして呆気ない夢オチか。んな。やっぱりこの監督らしい異形の仕上がり。で筆者は大満足でした。やっぱり世界が暴力とaiの亡霊に巻き込まれつつある今こそ評価されるべき大監督。
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