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ツヒノスミカのharu3uのレビュー・感想・評価

ツヒノスミカ(2006年製作の映画)
3.5
息子夫婦と同居するため、90歳になる祖母の家の取壊しが決まった。
モノを捨てる・捨てないの攻防を通して思い出の家との別れを綴るドキュメンタリー映画。

裁縫の端切れや大量の食器等を一緒に片付けていた息子さん。あれもこれも「捨てられたら困る」と言うおばあちゃんに困り果てていた彼の方が最終的にウエットになっちゃって、古い鍋蓋を大切にしまう姿に笑ってしまった。

監督のお話を聞く機会がありました。
ドキュメンタリー映画だからといって、ありのままが記録されているなんて幻想だというお話が面白かった。カメラが横にあるだけで取材対象からすれば不自然な状況なわけだから。
実際、おばあちゃんが馴染みの商店街に、孫が監督で撮影中なんだよと自慢するシーンがあって微笑ましいの。

↑に限らず、おばあちゃんが可愛くって。
冒頭の、パンと納豆・りんごのスムージーという奇妙な食べ合わせの朝食シーン。わずかに量の多いジュースを当然のように息子に譲る仕草だけで、もう彼女のこと好きになっちゃう。
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