矢吹健を称える会

櫛の火の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

櫛の火(1975年製作の映画)
2.8
 草刈正雄がなぜかブルドーザーに追いかけられているという意味不明すぎるオープニングは笑った。続く、草刈正雄が櫛を机から取り出すショットもなかなかかっこいい。ジャネット八田にガシガシ蹴られるシーンもなんか鈴木清順みたいだ。
 ……という感じで奇異な演出が立て続けに出てきて、最初は面白がっていたのだが段々疲れてくる。まったりした劇伴と忘れたころに飛び出す状況説明の台詞がミスマッチすぎて、却って印象に残る。

 あと草刈正雄と桃井かおりの台詞が全然聞き取れない。なんかずっとモゴモゴ言ってる。最初のうちはめちゃくちゃフラストレーションがたまったのだが、途中から別に聞き取れなくても構わないのだ(物語なんぞあってないようなもの)と思い直し、またこのモゴモゴいう音響が映画全体の雰囲気とも合致しているような気もする。