キンスキーがキレてキャストの部族の人達がドン引きするところで笑いが止まらなくなってしまい、なんとか堪えるのに必死に。でもアドリブでキャストに剣を振りかざし傷を残したり、製作者に罵詈雑言したり、今ではアウトだろう。つまり過去には間違いなくあった波風を立てまくりながらも許容されていた姿勢の鎮魂歌になっている。時には人に優しく、役と一体化してどこまでが彼の人格と言えるのか誰にも分からない。キャンセルカルチャーの時代においても、ある人間を一面的な見方からラベリングし、断罪していくことの虚しさを教えてくれる格好の作品。