ジェイコブ

夕陽のガンマンのジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

元軍人にして射撃の名手である賞金稼ぎダグラス・モーティマーは、凶悪なギャング団のボスインディオが脱獄し、多額の懸賞金がかけられている事を知る。モーティマーはインディオが一味と共に州最大の銀行であるエルパソ銀行を襲うと予想し、エルパソに向かう。一方、同じように凄腕の賞金稼ぎモンコ(名無し)もインディオの懸賞金を狙い、エルパソを訪れていた。二人はエルパソで相まみえると、インディオの懸賞金を山分けするため、手を組むことになるのだが…。
西部劇の巨匠セルジオ・レオーネ監督作品。イーストウッド演じる賞金稼ぎがモンコ(名無し)であることからも見て取れるように、黒澤明の用心棒から多大な影響を受けている。セルジオ・レオーネ得意のクローズアップに、フラッシュバック、さらには西部劇ではお馴染みのモリコーネのサウンドが堪能できる作品。
本作で特筆すべきは悪役のインディオの魅力だろう。ありがちな欲まみれの悪党というだけでなく、ならず者をまとめるカリスマ性に難攻不落の銀行から難なく金庫を奪い取ったキレ者にして、愛する者が目の前で死んだ事を夢に見る精神的な弱さも見せる。
そうしたキャラクターとしての魅力もあり、2時間強の作品と言えども、苦なく見ることができた。