marimo

夕陽のガンマンのmarimoのレビュー・感想・評価

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
3.5
旅先で映画館
長野駅から徒歩15分に位置する「長野相生座・ロキシー」
実は130年以上の歴史を持つ日本最古の木造建築の映画館なんだとか

スナック、キャバクラが軒を連ねる通りを抜けた先
権堂商店街を歩いていると突然現れるレトロな空間の先に聳える映画館

日が沈んでからの時間帯なので劇場を照らす明かりが幻想的でタイムスリップしたかのような空間
明治時代の建物なので昭和どころではない趣です
令和だということを忘れてしまう不思議な時間です

劇場内は松竹相生座とロキシー1,ロキシー2と、3つのスクリーンがあるようです
訪れた時間帯では相生座とロキシー1での上映でした

鑑賞した”夕陽のガンマン”はロキシー1での上映でした
ロキシー1はスクリーンも大きく
1階席と2階席がある広々としていて鑑賞前からワクワクします

”夕陽のガンマン”を鑑賞するのは今回が初めてなマカロニ・ウエスタン初心者です

冒頭の遠景からのシーンからとにかくカッコいいです
タイトルやキャスト、スタッフのテロップ表示で当時の合成技術のレベル感が分かるのですが
銃声と共に入るテロップ演出が派手さが無いのにオシャレで良いのです

この合成技術から察するに
劇中の全てのシーンがフィルムに写したそのままの素材であろうと考えると衝撃です

物語はシンプルで、演出もテンポもゆったりですが
シーンごとの雰囲気が抜群で当時の子供たちがもれなく西部劇の真似をしたであろうカッコ良さ

ストーリー展開も短調ではなく
それぞれが出し抜きあって状況の優劣が切り替わる楽しさ
敵も味方も全員強者という緊張感のある攻防の楽しさ
そのクライマックスで分かる事実についても唐突な感じはするが宿命を感じる良いラスト

VFXによる調整が当たり前の現代エンタメとは違う映画という媒体そのものの力強さを感じる作品
往年の名作を歴史ある劇場で鑑賞できる幸せすぎる最高の時間

いつまでも残っていてほしい映画館
きっと日本中にはまだまだ後世に残したい映画館があるはず

これからも地方の名画座を旅していきたい!

映画館で映画を観るのが好きな人は絶対ハマるはず!
-------------------------------------------------------------------------------
劇場名 :長野相生座・ロキシー
上映日 :2024/04/29(月)
上映時間:18:55 ~ 21:15
上映作品:夕陽のガンマン
座席  :自由席
marimo

marimo