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私の20世紀のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

私の20世紀(1989年製作の映画)
3.8
以前、劇場で予告編を観たことがあったので近年のだと思っていましたが、1989年のハンガリーの作品でした。昔のコマ送りの映画みたいな、人生の断片が散らばっているような、なかなか不思議な愛らしい作品でした。女性への応援歌に感じました。

冒頭からロバに掴まれました。ロバ出てくると和む~
たくさんの生き物が出てきます。
そして少女時代に生き別れになった双子のリリとドーラ。恐る恐る革命家になったリリと詐欺師として華やかに生きるドーラ。二人が同一人物だと思って好きになった男Z。
恋物語のようでいて、エジソンの発明品によって社会が変わっていく19末~20世紀初頭の様子が描かれています。

星空の星たちが二人を見守っていて、少女だった頃の双子がこしょこしょお話しているみたいな感じです。もしかしたらもしかしたら、雪の中、マッチを擦っていた二人の少女は星になって、もし、私たちが生きていたら、と夢見ていたようにも思いました😢。

タイトルの「私」って「女性」一般を指すのだと思うのですが、19世紀になって世の中はエジソンによって、光に溢れ、コミュニケーションは電信で速く遠くまで届くようになり、娯楽の映画や音楽を楽しめるようになり、暮らしは快適になってきたのに、女性にとっては、白熱灯より希望の光、電信より女性が発言できる場、娯楽を楽しむには家事労働からの解放が必要でしょうということではないかしら。

劇中で強調されていたのが、女性はまだ母か娼婦のどちらかでしかないと言われ、政治活動は女性がすべきでないと言われていたこと。参政権はまだまだ得られなかった時代。

20世紀に期待したいわ!という夢見る乙女の夢物語だったのだと思いました。

それにしてもロバ可愛い❤️


📖女性の参政権

ニュージーランド:1893年
ソ連:1918年
アメリカ:1920年
スペイン、タイ:1932年
ハンガリー、日本:1945年
スイス:1991年
サウジアラビア:2006年
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