脆く柔らかい光に照らされたホームビデオは緩やかに過去と繋がりながらもめくるように秒速で一日一日を刻む。三つの時代を跨ぐ野心に満ち溢れたインディペンデント映画の至宝。知らない人の人生を覗いている感覚に…
>>続きを読む初めの方に出てきた洗濯物がはためいてるシーンがやけに印象に残った。
ぜんぜん知らない人のライフストーリーを収めた作品なので、ぶっちゃけ人様に見せるようなものか?とぶった斬られても仕方ないくらい個人…
なんてことない日常の記録で、行ったこともないリトアニアの、しかも自分が生まれるよりも前の映像なのに、なぜか懐かしくて寂しい気持ちになって魅入ってしまった。外で火を焚いてパンケーキを焼くお母さんのブス…
>>続きを読むいわばホームビデオを編集しただけのような作品であるのに、ひたすらに心動かされるのだから不思議だ。勿論そこには撮影の妙やリトアニアの美しい情景ゆえのものがあるのだろうが、この不思議な感覚は言語化せずに…
>>続きを読む旅の魅惑はただ単に、空間やかたちや色彩から――人が訪ねる場所あるいは通り過ぎる場所から――ひきだされるのではない。それはまた、人が再活性化する、様ざまの個人的な「時」からもひきだされる。生涯の旅をさ…
>>続きを読む早稲田松竹で35mm鑑賞。
自由自在に動き回る、とても目で追い切れぬ軌道を描く手持ちの映像の静穏な嵐。
気付けばイメージは内面化され、ただ眺めているだけのはずのフィルムの表層に、鑑賞者自身の柔らかな…
最近読んだ「この映画を視ているのは誰か(佐々木敦)」の中に映画のカメラの視点は幽霊の視点そのものだ、と書いてあったが、この映画のカメラはゴーストメカスの視点そのものだ。彼は母親を見つめるが声はかけな…
>>続きを読むジョナス・メカスの『リトアニアへの旅の追憶』。
まだ18歳だった僕は大阪の映画の学校の硬い椅子に座って、リトアニアの風景を眺めていた。フィルムによる上映といういま思うと願ってもない環境だったけれど、…