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秋刀魚の味の&yのレビュー・感想・評価

秋刀魚の味(1962年製作の映画)
5.0
【2014/2/14:フィルムセンター】遺作であるこの作品で「結局のところ、人間はひとりです」とひょうたん先生に言わせ、そんな人生をも「秋刀魚の味」みたいなもんだよ、とメッセージを投げる小津さんの最期は、一体どんな表情してたのかなあ。
大きなアクションがない一連の小津映画だけど、これはホントに座って酒飲んで語って笑って文句言って。そればっかり。なのにこの豊かさ。巻尺ぐるぐるですべてを理解させる、小津さん魔法使いとしか思えません。孤独への向き合い方について考えさせられた、自分にとってとても大切な作品。
そして、無礼を承知で偉そうなことを言うと、遺作にしてついにアグファカラーを手なづけた感がある。完全なる素人目線で、ですが。赤の出し方の美しさはもちろんだが、ブルーの色味にも相当こだわってたんじゃないか。あのヨーロッパ的な抑えた色味は、ちょっとなかなか見かけない。
目にも心にも美味しすぎて、お腹いっぱい。こりゃ先っちょが黄色いやつだな。秋刀魚の味。
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