まったーほるん

秋刀魚の味のまったーほるんのレビュー・感想・評価

秋刀魚の味(1962年製作の映画)
4.6
小津の遺作。笠智衆が主役で娘を嫁がせる父親の複雑な心境を描いてる話なので「晩春」のリメイクかこれ?ってびっくりした。
ほとんど役者たちの会話シーンだけで成り立っていて、動きや感情がとても抑制されてる演技。この静かな会話と生活をあの色鮮やかな画面で映し出されてはもう何もいえない。ただ笠智衆はいつもあんな感じな気がする笑
今作もしつこいくらいに小津ショット満載で、赤の差し色めちゃくちゃ多い。
笠智衆演じる父とその友人達のあの時代のなんとも言えない演技と言葉遣いがたまらない笑これからみんなで小津弁って流行らせたいくらい。
岩下志麻の驚くほどの美しさと、彼女の切ない思い、父親の大事な娘を手放す孤独な思い。それを紛らわすかのようにやたらと同級生と集まってバカみたいに酒を飲んでる笠智衆。心打たれました。