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ハムレットのkojikojiのレビュー・感想・評価

ハムレット(1948年製作の映画)
3.5
第21回アカデミー賞作品賞、主演男優賞他で4部門受賞。
ローレンス・オリヴィエの監督、脚本、主演で一人三役。自分のための映画のようだ。

元々舞台劇だから当たり前なのだけど、城そのものの作りが、舞台のようで、映画を観るというより舞台を観ているようだ。
ただし、アングルを変えて階段の上から撮ったり、下から撮ったりして、舞台では観れないようなアングルを使い映画らしさを出そうとしている努力は見える気がする。

前半は舞台俳優の彼らしく、舞台劇独特の大袈裟な芝居が続いて、少々辟易としていたが、後半は慣れもあったのか、あまり気にならなくなった。

原作は言わずもがな、シェークスピアの4大悲劇の一つ「ハムレット」だ。
したがって、ストーリーもセリフも洗練されていて面白いのだけど、ローレンス・オリヴィエの演技がとにかく重くて、気が滅入る。もちろんそんな劇なのだけど。

時は十三世紀のころ、デンマークの先王ハムレットが死ぬ。1ヶ月も経たないうちに前王妃ガートルードは先王の弟のクローディアスと結婚、クローディアスが跡を継ぐ。
王子ハムレットはある夜、亡霊となった父から、自分は弟から殺されたことを告げられる。ハムレットは復讐することを誓う。

シェークスピアの4大悲劇と言われるぐらいだが、このストーリーは悲しすぎる。特に恋人オフィーリアが悲しい。

発狂し水死したハムレットの恋人オフィーリア。その兄レアティーズは、妹がハムレットに殺されたと告げられ、彼もまた、復讐を決意する。このレアティーズは剣先に毒を塗り、ハムレットと剣を交えることになるが、このシーンがこの映画の最大の見せ場だろう。日本刀とは違った感じでの決闘は、非常にスリリングで、なかなか見せてくれる。

それにしてもローレンス・オリヴィエの作品は「嵐が丘」もそうだけど、暗い作品が多い。彼の顔つきから喜劇やハーフフルドラマのような明るいドラマは似合わないからしょうがない。彼も、彼を取り巻く人達もそれをよく理解していたのだろう。

監督:ローレンス・オリヴィエ
原作:ウィリアム・シェイクスピア
製作総指揮:ローレンス・オリヴィエ
出演者
ローレンス・オリヴィエ(ハムレット)
ジーン・シモンズ(オフィーリア)
音楽:ウィリアム・ウォルトン
撮影:デズモンド・ディキンソン


2023.01.21視聴31
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