ロバート・アルトマン監督の1975年の作品。メインキャラクターが総勢24名も登場する群像劇です。アルトマン作品の中で特に評価の高いものの1つです。
24名ものキャラクターを登場させていますが、はっきりとした主人公はいません。なので、話の筋も自然と複雑になり誰が誰だか少し混乱してしまいました。ですが、それも含めてアルトマン作品の面白さなのかなと思います。
ストーリー全体も面白いですが、シーン一つ一つの人物の動きや会話もまた面白く、それを見ているだけで謎の充足感がありました。さらに、何気ない1つのシーンに、何かを痛烈に批判したり皮肉るような要素が混じっているのもアルトマン監督の凄いところだと思います!
また、この映画は音楽業界に生きる人々が多数登場するため、歌唱シーンも多くそれもこの映画の楽しみの1つです。
全体的に漠然としたような、はっきりとした主題が見えてこないストーリーとなっていますが、最後に待ち受ける展開がこの映画を一気に1本の作品としてまとめげます。
それまで比較的穏やかで日常的光景が広がっていた世界が、一瞬で揺らぎ、混乱が生じます。それはどこか現実を想像させるものでした…。
同じアルトマン監督の『ショート・カッツ』も同様の構成を持っていているので、比較してみてみるのも面白いかもしれません。
《鑑賞者:たくみ》