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ナッシュビルのEyesworthのレビュー・感想・評価

ナッシュビル(1975年製作の映画)
4.3
【それでもアメリカは歌う】

名匠ロバート・アルトマン監督の24名のキャストが入り乱れる傑作群像劇。

〈あらすじ〉
カントリー&ウェスタンの聖地、ナッシュビルでオープリーという名のフェスティバルが開催されようとしていた。そんな中、地元の大スター、ヘブンを州知事に推挙しようと画策するハル・ウォーカー大統領候補ら24人もの人々のさまざま思惑が絡み出し、物語は想像を絶するクライマックスへとなだれこむ…。

〈所感〉
最近思ったのだが、1976年の第46回アカデミー賞作品賞ノミネート作品は類を見ない歴代トップクラスのラインナップではないだろうか。作品賞に輝いたミロス・フォアマン『カッコーの巣の上で』は勿論、シドニー・ルメット『狼たちの午後』、スティーブン・スピルバーグ『ジョーズ』、スタンリー・キューブリック『バリー・リンドン』、そして本作ロバート・アルトマン『ナッシュビル』という布陣であり、私はこの全ての作品がだいぶ好きである。そのため未鑑賞であるこちらをDVDを買い鑑賞。ただ、こちらは正直あまり楽しめなかった。アメリカの音樂、歴史、政治などの文脈をよく知らないとポカーンとする系の映画だと思った。内容もそうだが、主要人物が多いため風呂敷を広げすぎてワチャワチャしすぎている印象。ロバート・アルトマン監督はそういった群像劇を一つの終着点にまとめあげるのを得意とする監督らしいが、あまりそうも思えず、今の私では限界を感じてしまった。絶え間なく流れるカントリーミュージックはとてもアメリカ的な温かいノスタルジーに富んでいて素敵だが、160分これが続くのは流石にキツいかな…。銃弾に屈せず、最後まで歌いつづける彼らはまさにアメリカ国民の勇姿を象徴しているようだ。なんにせよまだ早かったようだ。またいつか見たら楽しめる日が来ることを期待したい。
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