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大地のjuriのレビュー・感想・評価

大地(1937年製作の映画)
5.0
良いものみたなってしみじみ後から思い出してしまう映画がありますね。
最近だと、「グリーンブック」や個人的な思い入れが強い「ビューティフル・マインド」なんかがそれで、今作も思いがけなく刺さってしまいました。

あらすじとしては、貧しい農家が奴隷出身の奥さんを迎えて紆余曲折あるなかで富豪になるのだが、ある日畑がイナゴの大群という大ピンチを迎えるというお話です。

服装とか屋敷の装飾とか、それはないだろ!ってものは見受けられなかったから中国へのリスペクトを感じる。
(実際に中国に住んでいる人がどう感じるかはわからんが)
ので、わたしはメイン役者が白人というのは気になりませんでした。

なかなか厄介なお義父さんと叔父さんで、どちらかが何かやらかすぞ..と思ってたらまさかの旦那さんがこんなに変わってしまうとは。
奥さんと出会った頃は優しい人だったしそうとしか見えないんだけど、中盤以降すごい憎たらしい顔に思えてくる。
役者ってすごい。

そんなつもりで見始めたわけじゃないけどウーマンリブ的な話ですごく刺さってしまったな。女の戦いは戦争じゃなくて小さな幸せを守ること。
少々ご都合主義的な展開ではあるのは否定できないけれど、奥さんは自分を受け入れてくれた旦那さんをただひたすらに好きだったのだと思う。

昨年だったかアフリカでバッタの大群がニュースになっていたと記憶しているのだけど、なかなかお金にならない&襲来の予期ができないというので研究が進んでいないのだとか。
1937年と言ったら84年も前なので、当時知恵でバッタに対抗するという物語を作った原作者のアンテナすごいなと思った。
いやむしろ農家さんが減ったのもあって今はそこまで話題にならないのかもしれないけれど。

もっと古い映画も見よう!と思わせてくれる名作でした。
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