ゆみモン

あなたへのゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

あなたへ(2012年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

公開当時映画館で観た。DVDも購入した。今夜、BSテレ東で放映すると知り、先にDVDで観たくなり何回目かの鑑賞。

高倉健の『単騎千里を走る』以来6年ぶりにして、最後の主演作品。
刑務所の技術指導員?を退官して、妻の遺骨を散骨するため車で旅に出る。役の設定年齢よりかなり高齢であろう健さんは、動作が緩慢に見えたり、滑舌が悪かったりするのは否めないが、気迫が凄い。それだけで多少のことは気にならない。

健さんを取り巻くキャストも豪華だ。みんなそれぞれ過去や悩みを抱えていて、人々との触れ合いの中で何かを模索していく。
特に、佐藤浩市と草彅剛のイカめし移動販売員がいい。私は、佐藤浩市は、偉い武将やエリート刑事…等などよりも、こういうちょっと情けない感じの役が好きだ。

大滝秀治の遺作でもある作品。船を出すシーンは、涙が溢れた。さすがの存在感だ。

田中裕子は、『夜叉』『ホタル』など健さんとの共演が多く、本当に自然に息ぴったりだ。健さんの方から共演オファーしている、という話を聞いたことがあるが本当だと思える。
「星めぐりの歌」を歌うシーンは、優しい気持ちになれる。若い頃、沢田研二の作曲・プロデュースで妖しい?楽曲を出した時よりずっといい。(ジュリーは好きだけど)

三浦貴大と綾瀬はるかも良かった。
ビートたけしの役柄もいいスパイスになっていると思う。