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あなたへのぉゅのレビュー・感想・評価

あなたへ(2012年製作の映画)
3.9
2022年 鑑賞 22-55-04
BSテレ東 シネマスペシャル にて
「夜叉」「鉄道員 ぽっぽや」「ホタル」等の降旗康男監督 × 高倉健さん主演の、富山の刑務所に勤める指導技官の倉島英二(高倉健さん)のもとに、ある日、亡き妻洋子(田中裕子さん)からの絵手紙が届く。そこには、故郷の海に散骨してほしいという願いが書かれていた。その真意を探るため、キャンピングカーで彼女の故郷長崎を目指すロードムービー作品。高倉健さんにとって205本目の出演映画であり、2014年に亡くなった高倉健さんの遺作となった。また、2012年に亡くなった大滝秀治さんの遺作ともなっている。また、この映画の脚本を基として森沢明夫先生による小説が書かれている。

ー 高倉健さんからあなたへお別れのメッセージ ー
回想と字で妻洋子との思い出と共に妻の故郷・長崎県平戸の海を目指す英二(漢字は違うが前回観た高倉健さんの役名はエイジだった)。きっかけは、NPO法人遺言サポートの会の笹岡(根岸季衣さん)に渡された洋子からの絵手紙だった... 出発前夜、英二の後輩の塚本和夫(長塚京三さん)・久美子(原田美枝子さん)夫婦と、英二が住む富山で洋子の遺骨遺影に献杯し、英二改造ミニバンにより、長崎を目指す。

“放浪と旅の違いわかりますか? 目的があるかないかです”
“旅の定義 旅は帰るところがある”
道の駅で杉野輝夫(ビートたけしさん)で出会い、種田山頭火の詠を知る。田宮(草彅剛[元SMAP])を助けたのが縁で、大阪のデパートの北海道物産展での駅弁作りを手伝い、南原(佐藤浩市さん)とも知り合い、大阪府から兵庫県へ。

まさかのデジカメの祭りの写真... そういう繋がりが!下関にて... キャンピングカーとミニバンとパトカー... 警官役の浅野忠信さんと英二の会話が穏やかで好き!あの人たちからの電話、英二は愛されているなって感じる。

“大浦さんは自分がまだ迷いがあるんだとわかってらっしゃったと思います 女房が死んでからこれ(絵手紙)が届きました どうして生きている時に言わなかったんだろう?女房にとって自分はなんだったんだろう?そればかり考えながらここまで来ました”
長崎は台風だった... 船でない!散骨出来ない!食堂の多恵子(余貴美子さん)奈緒子(綾瀬はるかさん)の濱崎親子や、漁師の大浦吾郎(大滝秀治さん)卓也(三浦貴大さん)祖父孫と出会い、懇意にしていただき... 灯台に向かって投げた “あれ” が、またいいっ!刺さるぅ... 「写真を...」のシーンで、一気に私のダムが決壊した(今は海洋プラスティック問題で規制が厳しくなったが... )!

“久しぶりに綺麗な海さ見た”
高倉健さんと妻、健さんとロードムービー、健さんと食堂、健さんと大滝秀治さん。最高の組み合わせ!初めて観たものも、何度も観ているものも、全てが愛おしい。佐藤浩市さんの立ち位置もめっちゃいいっ!ハトになる、か... ここで一句「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく 種田山頭火」不要な所などない、全てが繋がっているんだと思わされたラストだった!

回想と現実が、パンっ!と切り替わる所、現実戻された感あるし、回想と現実のリンクに唸ることもある!また、日本色んな場所の風景がいいっ!風鈴の音、路面電車、電車との並走、細い路地やそこを抜けた場所、自然、花、天空の城・竹田城、街並み、道具屋筋、橋、川、海、流木、灯台、海の光、夕日、台風の夜、色あせた写真に向かい静かな「ありがとう」、灯台のあのシーンが英二の迷いを断ち切るシーン、良かった!上記の出演者以外も岡村隆史(ナインティナイン)さん、石倉三郎さん、不破万作さんら、みなさんと乾杯。高倉健さんや大滝秀治さんに献杯。

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