わがい

ストリート・ミュージックのわがいのレビュー・感想・評価

ストリート・ミュージック(1972年製作の映画)
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映像の授業にて。

「ストリート・ミュージック」ライアン・ラーキン
序盤は題名の通り、路上で音楽を奏でる若者の実写映像から始まる。実写とアニメーションを融合させた作品だとは知らなかったので驚きながら鑑賞し始めた。ヒッピーで懐かしく軽やかな音楽がポップなアニメーションに良く似合う。モノクロの実写とモノクロの線画で始まるが水彩画になり、段々とタッチが変化していく。中盤のサイケデリックな点画は神秘的だが恐怖も感じる。見てはいけないような気さえする。原色の滲みを生かした水彩は一見派手だがどこか温かみがあり光に包まれていくような心地がする。小さい頃、寝る前に母が絵本を読み聞かせしてくれたのを思い出した。写実的な風景画もデフォルトなイラストもあり、彼の頭の中にあるイメージを整理せず覗いている感覚がある。イラスト達がぐにゃりと形を変化して次のイラストに変化して楽しさはアニメーションならではだと感じる。彼の持つ軽やかさがアニメーションという方法で観客と彼の頭の中の隔たりを無くすことに成功していると考える。
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