あられ

七小福のあられのネタバレレビュー・内容・結末

七小福(1988年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アクションというよりヒューマンドラマです。

ジャッキー・チェン、サモ・ハン、ユン・ピョウ、ユン・ワーなどの有名カンフースターを輩出した全寮制の京劇役者養成学校、中国戯劇学院にまつわる実話です。(中でも中国戯劇学院の最優秀とされる7人を七小福と言います)

預けられた子供たちは日々過酷なトレーニングに明け暮れる。舞台収入はもらえず。ただし代わりに衣食住付き。自己都合で退学できない。不慮の事故による賠償はない。背けば厳しく罰せられる。絶命しても責任取らない。卒業後は恩返しをしなくてはいけない。子供たちの唯一の楽しみは食べること。だいぶブラックな学校ですw

物語は1962年、母親と9歳のアロン・チェン(後のジャッキー・チェン)が中国戯劇学院に入学するところから始まる。宿題をやらなくていいなら10年契約するとか勉強嫌いなアロンw 早速輪ゴムを飛ばしていたずらw ほんと腕白坊主ですw

子供たちが順番に寝返りを打ってるシーンがとってもかわいい😍 みんなが坊主頭のところもめちゃくちゃかわいい😍 子供たちの演じる京劇もかわいいw

近所の小学生たちとケンカをしたり、バスのタダ乗りが見つかって、バスの2階からみんなで逃げ出したり、悪さしてお尻を叩かれたり。サモの面倒見の良さw 子供たちのやんちゃぶりにハラハラ。この時代の子供たちはたくましいですw

年頃に成長すると、アロンの初恋や隠れてみんなで踊りに行ったりとかするエピソード。彼らの踊りが場違いだけど、めちゃくちゃかっこいいw

奥手なユウ校長も女性歌劇団広東フェニックスの団長のチン先生といい感じに。チンの誕生日に、その日亡くなった老人のキャンセルバースデイケーキを買ってくるという、ユウの余話がシュールでした😰

そして時代は京劇から映画中心の世の中へ移り変わろうとしていた。京劇の場が失われつつあり、一部の生徒たちは映画のスタントマンの仕事などもこなすようになっていく。監督からカットの声がかかるまで演技をやめないというユウの教えに従い、カメラが回ってなくても演技する生徒たちの姿は、監督の目に留まっていた。

そして中国戯劇学院の存続は困難になり、ついにユウは学院の閉鎖を決心する。すでに劇団を閉鎖しアメリカへ移住したチンを頼って渡米することに。

クライマックスは、ユウが弟弟子のアワンに子供たちの今後、映画への道を頼みに行くシーン。アワンは京劇の舞台に上がれず、仕方なくスタントマンをしているが、冷遇されている。映画撮影中に事故にあい、頭を打っても血だらけで演技を続けようとするアワン。それに付き合って演技するユウ。切なくて悲しいシーンです。
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