あしからず

ブルークリスマスのあしからずのレビュー・感想・評価

ブルークリスマス(1978年製作の映画)
3.7
クリスマスに観ると鬱になるやつ。
UFOと遭遇し血が青色に変化した人々を描くSFながら内容は現実的で、血が違うだけで国家権力に否応なしに淘汰される様をユダヤ人迫害に重ねるようにナチスの映像が流れる。
前半は青い血の謎を追う記者・仲代達也、後半は国防庁特殊部隊員の勝野洋とその恋人を追う2部構成。どちらも半端で今いち締まりがないもののメッセージ性は強烈。きらきらクリスマスツリーと殲滅計画のちぐはぐさも露骨ながら効く。
ただあんな街中で銃ぶっ放すのはどうなのか。カメラもテンポも喜8節は控えめで鈍い。やっぱ脚本がなあ…。青と赤が混じるシーンは印象的。
自分とは異質なものに拒絶反応を起こす流れは当然と言えばそうだが、それを周囲から洗脳のように植え付けられる様はナチス的で恐ろしい。ロボトミー手術も。
溝呂木博士みたいな人いるなと思ったらちゃんと天本英世だった。
お前の血は何色だーっ!って言いたくなちゃうけど、青でも緑でも血も涙もないものよりは1億倍人間的。
あしからず

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