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父ありきのunmのレビュー・感想・評価

父ありき(1942年製作の映画)
4.5
序盤の省略のスピード感すごい。修学旅行に行くぞとなったら即写真撮影会に繋がるし、気づいたら大人になっている。
修学旅行の写真撮影のショットは遺影というか心霊写真のようだなと思ってたら本当に生徒が死ぬので震える。慌てる生徒たちと一緒に映る真っ黒な傘、怖すぎ。墓みたいな石が積まれた実景も怖い。死の匂いしかない。最後も切り返しから怖いし、荷物の実景で終わるのかと思いきや、真っ黒な汽車の背中を見送って終わる。暗澹たる未来が予感される。
一方一緒に住むのを拒否されて、楽しく話してたはずの風呂場の実景の画の切なさ。
釣りのシーンの反復にその間に流れた月日を感じずにはいられない。小気味良くポンと竿を移動させる。出来事ではなく、動作の反復。
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