ポンコツ娘萌え萌え同盟

霧笛のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

霧笛(1934年製作の映画)
3.5
鞍馬天狗の原作者と同じ大佛次郎原作の映画だけど、颯爽と事を解決してくるヒーローもいないし、時にして文明開化後の横浜居留地にて千代吉、お花、クウパーの三角関係と悲哀が描かれるメロドラマ。時代劇に出てくる外国人ってカタコト日本語喋る変な奴の偏見あったけど、本作がサイレント映画なのもあってそれは感じない。むしろ彼の表情、姿を映したショットは絶対的権威者の強みを感じる(クウパー演じてるの菅井一郎だから日本人だけど…)。
だけど千代吉を演じる中野栄治の表情も負けてない。
だからこそ、千代吉が銃口を自ら(千代吉)の額に当てさせた時の彼の表情はまさしく鬼気迫る強みと迫力がたしかにありクウパーの持つ迫力を丸め込むことができたのも納得行く。
中間字幕がやや多くてしかもたまに薄く読み取りづらいのと正直前半は退屈なのもあって鑑賞に疲れるのは難点だが、後半から一気に内容が加速していく。
ただサイレント映画にそれを求めるのは問題外だが、霧笛の場面は効果音ありで見たかったなぁ…。