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結婚式・結婚式の3104のレビュー・感想・評価

結婚式・結婚式(1963年製作の映画)
3.4
小津のオマージュ・・いやパロディ風味だが本家がやらぬようなショットも垣間見え。例えば終盤の家の屋根のあたりはとてもいい。しかしあくまでパロディ風。それ以上の効果やマジックは存在せず。

結婚観はとにかく、“人種観”の隔たりに眩暈がする。とくに田中絹代の偏見度合いはなぜにそこまで、と思わざるを得ない。そこを揺さぶられたり覆されたり等もほぼなく、なんとなく3組の結婚式に進んでいく淡白さはそういうものといえばそういうものなのか。

岩下志麻(若き日の彼女はまことにcute!)&川津祐介の描写がもっと欲しかった。あの2人を柱にして別の良質な映画が作れそう。佐田啓二の妻役の環三千世の出番が少なく残念。

ちなみにストーリー的にはタイトルは『結婚式・結婚式・結婚式』のほうがふさわしい。この映画の評価はすなわち松山善三の脚本に対する評価なのではなかろうか。
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