フェイクドキュメンタリーとして、この時代にこれほど完成されているものがあったのかと驚きました。きっと、フォレスト・ガンプの元ネタもここなんでしょうね。
もちろん、フォレスト・ガンプはそのアイディアを活かして、不朽の名作として映画史に名を残したので、なにも問題はないのですが。
うん、そう。このカメレオンマン。すごい革新的だし面白いのだけど、映画なのかと言われればクエッションがつく。いや、この試みと、映画のテーマも素晴らしいのに、それをあくまで、ヒストリーチャンネルや、ニュースの特集ぐらいのクオリティーで仕上げてる。そこは狙い通りなんだろうけど。あとほんの少し、ドラマチックに出来なかったのかな。ドキュメンタリーという体を逆手に取るシーンが1つでもあればよかったのに勿体ないなと思ってしまう。これは映画なのだからと。
でも、この大きなアイディアと少しの不満が、あとに続くフォレスト・ガンプや、その他のモキュメンタリーに影響を与えたことを思えば、この映画を観る価値は大いにあります。いや、60分ぐらいに編集してNHKのドキュメンタリー枠で流れたらと考えれば、これほどの傑作はないかもしれません。
