TAMU

ペパーミント・キャンディーのTAMUのレビュー・感想・評価

4.5
念願のペパキャン初鑑賞♪
ソルさんの顔芸がどうとか、ムン・ソリがいるだけで映画が締まるとか、今までレビューを書いてきたことが恥ずかしい💦
そして良いボディブローもらってきましたw
ずーん、て感じで心に重く響くものがあり、鑑賞後しばらく立ち上がれない。。

「あの日に戻りたい」迫り来る鉄道を前に、必死の形相で叫ぶ中年ヨンホ(ソル・ギョング)。彼の人生は何だったのか、遡っていくストーリー。

1999年制作のようですが、全く色あせることのないテーマ。初恋を1つの軸に置いてますが、大好きな『建築学概論』が苦いとしたら、こちらはシビれる辛さ。
リアル『国際市場で逢いましょう』的でもあり、社会に翻弄された小市民の物語。

今更私が言うのも何ですが、さすがイ・チャンドン。現在から過去に遡る過程は、映画的文脈をもって、景色が陰影が小道具が登場人物が韻を踏むように語られ、少しずつ全体像が見えてくる。

説明要素が無いが故に、少しずつ分かる快感と、分かるごとに辛くなる展開。

加えて、社会批判、権力批判を散りばめる辺りのキレが良く、宗教絡める辺りは『シークレットサンシャイン』の前兆を感じる。

自分も鉄道に仁王立ちしたヨンホと同年代になりまして、あの日に戻りたい!と思う歳になりました。何でこうなっちゃったんだ?どこで間違えたんだっけ?て先ほども我がことを振り返り、頭を抱え…w

今日は映画館に向かう途中、咲き始めた桜の写真を思わず撮ったことから、まだ少し大丈夫かな?て思ったり。
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