ねぎおSTOPWAR

ペパーミント・キャンディーのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.4
イ・チャンドン監督1999年公開、長編2作目。
「バーニング」に合わせて4Kデジタルリマスター版が出ました!


観てからしばし経ちます。他の作品のレビューが何作か追い越して行きました・・。



「殺人者の記憶法」「監視者たち」「22年目の記憶」「名もなき野良犬の輪舞」などのソル・ギョングさんが「シルミド」の前に出たのが「oasis」で、その3年前に出演したのが今作。
この方は演技バカですよね(褒めてます)!韓国映画界になくてはならない役者さんであることに間違いありません。そのWORKの初期作品を観る喜びもありました。枯れてない演技です。そして20年の人生を一気に表現するんです。すっげーなー、やっぱり。



イ・チャンドン監督はとある男の人生をゆっくりと紐解きます。


1999年 春 ピクニック
3日前 1999年 春 カメラ
1994年 夏 人生は美しい
1987年 春 告白
1984年 秋 祈り
1980年 5月 面会
1979年 秋 ピクニック

これら7つの時期が切り取られ、時系列は過去に戻るように進んでいきます。
スタートはもう底辺!
「オレの人生をめちゃくちゃにしやがって!理由はたくさんありすぎる!!」
ジャケット写真のパートはまもなくやってきますが、なぜそこに至るのか、何があったのか、観客に謎を提示して一つ目のパートは終了します。

光州事件。
またしても軍事政権が影を落とします。
1980年5/18から5/27に起きた弾圧。
6つ目のパートはまさに1980年5月のこと。

パートをつなぐのは列車からのショットです。列車最後部からすぎゆく風景と曲がるレールを撮影し、それは逆再生されます。横を走る車は道路を後方に進みます。
20年をまたぐふたつのピクニックが痛ましい。
本当になぜこんなことになってしまったのか・・。時に人生は不条理であり唐突に向きを変えてしまいます。

今日はペパーミントキャンディ買って帰ろうかな。


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