りょう

腑抜けども、悲しみの愛を見せろのりょうのレビュー・感想・評価

3.8
自分が高校生だった頃、サトエリ、小池栄子、Megumi、この3人がイエローキャブの御三家的な立ち位置で、当時のグラビアを席巻していた。小池栄子やMegumiは既に俳優としても存在感を確立しているが、当時からサトエリ派だった私はFilmarks開始当初からこの作品をClipしていたにも関わらず、サブスクにも全然出てこないので、観るのが今更になってしまった。

インパクトのあるタイトルから、熱い感動が待っていそうな内容だと思っていたけど、とんでもないブラックユーモアな衝撃作だった…。

基本的に後妻の連れ子であった兄とその奥さん、そして姉妹の4人のストーリーだが、兄は結構まとも、女性陣はみんなぶっ飛んでた。

鬱屈とした田舎と、超絶スタイルのサトエリのギャップが凄くて、きっと小さい頃から周りのおじいちゃんおばあちゃんに澄伽ちゃんは将来女優さんになれるねーってちやほやされて育ったんだなぁって想像した。自分は人とは違う特別な人間、認めてくれない社会が間違ってるってなっちゃったんだろうな。

そんな姉を横目でみている妹、もちろん自分のせいで姉が酷い目にあったことに負い目は感じているけど、飛んだ勘違い姉さん、ホラー漫画としてこんなに面白い題材なくて、ついつい描いちゃう。
そして誰からも認められない澄伽を「必要としている」と言ってくれた兄との秘密の関係。えらいこじれた兄姉妹…笑。

でもこじれてるけど不思議と強い絆があったのかな。お兄ちゃんはどうして妹たちにあんなに優しかったんだろう。親が離婚してるから初めてできた妹たちに、というか家族を大切にしたい思いが強いのかな。

そして、永作博美!冒頭の投げ飛ばされた時の吹っ飛ばされ方!笑
あと、途中からもうホラーの域でした。
扇風機のくだりはちょっと意味不明。

最後の澄伽と清深の対決、もう圧巻でした。びっくりナイフもちゃんと前振りが効いててよかった。「これからがもっと面白くなるから!」のところ、澄伽は手段を選ばず自分の決めたことをやり切ろうとする力強さが単純にすごい。

何しろ、サトエリの絵力がすごかった!
あと30分1000円のインターネットが、10分300円ってちょっと割安になってるのウケた。
りょう

りょう