まや

腑抜けども、悲しみの愛を見せろのまやのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

タイトルに惹かれて鑑賞。映画館で観たからか物語に没入できた。三兄弟の演技と絶対的なキーパーソンの永作さんが素晴らしかった。

両親の死によって、三兄妹の長女が帰ってくる。ここから、物語は始まるが、この家族は崩壊している。どうして崩壊しるのかが結構ずっと語られるからす前半がしんどいし、どう着地させるのだろうという気持ちが強かった。

だが、後半、妹が漫画家になると東京に行き、郵便局でバイトしていたことを明かすシーンから本当に面白いし、目が離せなくなった。バスを追いかけ、取っ組み合いになり、そこで姉妹の関係値が変わり、今までとは違う繋がりが生まれ、ここで初めて家族になるように感じた。こんな奇妙な形の一つの家族として描いていてすごいなと思った。(家族に正解なんてないし、所詮は血の繋がりがあっても他人なのだから、家族神話みたいなものと対極にいるように思えた)2人がバスに戻り、寝てしまう姉を描く妹。手放しのハッピーエンドではないけど、少しの希望をみせる終わり方で独特だなと思った。

永作さん演じる長男の奥さんもすごい奇妙な役で、空回り具合と空気の読めなさ(でもなんとなく違和感を感じてなんとかしようとするキャラクター)が異様な空気感だった。

最後、タイトルは妹の立場からなんだと納得し、この妹の方がヤバくて強くて面白いなと思った。
まや

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