ゾロ

天と地のゾロのレビュー・感想・評価

天と地(1993年製作の映画)
3.5
ベトナム戦争関連第八弾
1993年の映画

ベトナム戦争の帰還兵でもある
オリバー・ストーン三作目の
ベトナム戦争に関連する映画

南北ベトナムの国境線付近の村キーラで
インドシナ戦争中に生まれた
レ・リー・ヘイスリップの自著を元に
ベトナム戦争に巻き込まれた一人の女性の
視点から描かれた物語で戦禍を生き延び
戦後まで描かれている異色の戦争映画

帰還兵であり、反戦活動家を描いた
→ 7月4日に生まれて

戦争の最前線を一個小隊を軸に狂気を描いた
→プラトーン

何もかも、不合理すぎる

戦争は、前線で命をかけて戦う者だけでなく
その地にいる全ての人に悪影響を与えている
決して、知らん振りを出来る事実ではなく
目を背けてはいけないと認識すべき

そして、他のベトナム戦争では
描かれていない視点で描かれた
価値のある重要な映画だと思う

戦闘の現場でなく、戦時下での異常な
日常と疑心暗鬼に陥る集団心理にまず
精神がやられる

ベトコン側の人間で
政府側にスパイ容疑で拷問されるも耐える
親が買収した事で、解放

解放されると、ベトコンの仲間に
釈放されたのは、裏切ったからだと
レイプされ、村にいれなくなる

残された家族と村人もベトコンに
疑いをかけられ、殺される者もいる

誰が悪いって、やりきれない悔しさしか無い
救いも無ければ手立ても無い


ハノイでは、妊娠、馘首、
家族断絶、貧困を味わい、父も他界

アメリカ兵と恋に落ち
アメリカ移住も食と姑が合わず

さらに、貧困と旦那の癇癪により離婚

事業に成功して故郷に戻ると
アメリカ兵と戦った兄からは
恨み辛みを聞かされる

母だけは、
 あなたは誇りと言ってくれた


こんな辛い人生あるのか…
戦時下を生き延びたうえに
故郷のベトナムに、診療所を建てる
レ・リーさんを尊敬する
ゾロ

ゾロ