らんらん

女は夜化粧するのらんらんのレビュー・感想・評価

女は夜化粧する(1961年製作の映画)
4.0
建設会社の社長森雅之は赤坂に超豪華クラブを建設中、そこでその経営者としてギター芸者をしている山本富士子をスカウトする
お富士さんの美貌と手腕を見込んでのビジネスライクな関係である
オープンしたお店は一流にこだわり、ママの毎日変わる豪華衣装な点も興味を引き大盛況
そんな折、お富士さんは過去に一度会っただけなのにお互い惹かれあっていた川口浩と再会
川口浩はフランスから帰国した新進気鋭の音楽家、2人はお互い本気で愛し合う関係になるのだが、、、

簡単に言うと悲恋物、好きだけど相手のことを思って別れるってやつ
お富士さんのほうは天職ともいえるクラブのママ、きらびやかな世界から離れられない
川口浩のほうは音楽の道を捨てられない
これだけだと別に別れなくても良くない?何故そのままで付き合っていけないの?となるんだけど

一緒にいるとお互い好きすぎて他のことがおざなり、自分たちの世界しか見えなくなるっていうやっかいな、本気すぎる、ある意味幼い恋愛のパターンなんです
つまり似た者同士すぎる、一緒になるにはどちらかがシュフ(主婦、主夫)になるしかないのw

川口浩はお富士さんを好きなあまり、演奏会をドタキャン、みんなを裏切ってしまい業界から半追放されちゃう
お富士さんのほうはそんな川口浩をお店のピアニストに雇い、周囲には公然と付き合ってますアピール
当然ママ目当てのお客さんたちは興醒め、客足が伸び悩む
こんな現状にお互い悩んでもおり、川口浩は酔っ払って荒れた演奏したり、お富士さんは店の奥に引きこもって酒浸り、お客さんの相手もしない日も

破滅型の恋愛ですね、仕事にまで影響を及ぼして周りに迷惑かけるやつ

この映画出演者がなかなか豪華なんです
メインとなるのは山本富士子&川口浩に、森雅之の3人か
助演では
川口浩の師匠で上原謙、兄弟弟子で田宮二郎、マネージャーで多々良純、父親に清水将夫、いとこで叶順子
赤坂の芸者でお富士さんをいじめまくる村田知栄子、岸正子

叶順子は出番も少なく特に見所なし、岸正子はこないだ「男は騙される」がすごい良くて注目して見てました、今作では脇役すぎて何もないけどw
あと!山本富士子の弟役で川畑愛光、見たことある名前って思ってたけど、顔見て思い出した!「しとやかな獣」の粗暴っぷりとは打って変わって大人しい役

この映画、個人的には結構好きです
やっぱり山本富士子が綺麗、次々と綺麗で豪華な着物に変わっていく趣向も良い
内容自体は下らないお話を大層に盛り上げてる感がしないでもないけど、ラストシーンが素敵だと思う、森雅之の粋な心遣い、それに応える山本富士子が良かった!

でも見終わったあと後ろのおじいさんが駄作だ駄作だとか呟いてるのが聞こえて来ると少しかなしすww
らんらん

らんらん