かずシネマ

ソイレント・グリーンのかずシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

藤子F不二雄のSF短編の何作かが頭に過った。
「定年退食」「間引き」そして「カンビュセスの籤」
内、「定年退食」についてはウィキペディアにも記載があったわ。
夢溢れるレトロフューチャーだけでなく、考え得る最悪な未来の話も、未来の様々な可能性に思いを馳せられた時代の創作(者)にはうってつけのテーマやと思う。

作品舞台は2022年。来年やんけ。
ここまで人口爆発するってどういう世界線なんやろうか。
戦争も飢餓もない世界線?
格差がかなり大きいのにお金があろうとなかろうと子供を沢山産む世界線?
こうなる前に一人っ子政策みたいな事を各国導入しないか?と思うんやけど、それも人権に配慮して出来なかった世界線?
あれだけ常から密集していたら、それこそこの度の新型コロナの様な病が出たらアウトと思うんやけど。それも存在しない世界線なんかな。
あと、「共食いスナック」を常から食べていたら間違いなく病気になる。
可哀想に、実際にも牛で問題になったろ?
そしてそれをまた食うって…新種の病気が出ていそうやけど、それらも無い世界線なんやろな。

あの食べ物(ソイレントグリーンだけでなくてイエローとか他の色の物も含めて)を、もっとガツガツ食うor1日に1回1個は食うみたいな描写があればな、と思う。
市場の長蛇の列や混乱、天安門並の強行描写とかは良かったんやけど。
沢山の人が日常的にあれを食ってる描写が欲しい。
あれが人間だというオチは途中で読めてもその方が気持ち悪くてええと思う。

主人公が職権乱用しまくるのが好きやったw
家具の女性にちょっかい出すシーンはもう少しコンパクトでいいかな、と思う。恋愛云々よりも中途半端なナンパの様だったから。
実際にも生き字引って言葉はあるけど、年配の方が「本」なのが面白いなぁ。
2人で食事しているシーンが幸せそうでとても良いシーンだった。
また、「式典」の演出も好き。

前半のダルさがちょっと気になるけど、後半は良かったと思う。
これ、今上手いこと作り直したらどうなるんやろ。
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