Cineman

ソイレント・グリーンのCinemanのレビュー・感想・評価

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)
3.0
『ソイレント・グリーン』
リチャード・フライシャー監督
1974年
鑑賞日:2023年3月11日

チャールトン・ヘストン主演のSFサスペンス。
監督はリチャード・フライシャー。
原作はハリイ・ハリスンの小説『人間がいっぱい』。
人口爆発で資源が枯渇して格差が拡大した未来社会で起こる殺人事件とその背景を描いた暗くて後味の悪いディストピア映画です。

【Story】
舞台は2022年のニューヨーク。
人口過剰と食料不足のためにごく一部の富裕階級の人を除き、4,000万人の市民は週1回配給される食品を食べて細々と生きている。
ソイレント社が海のプランクトンから作っていた食品だがそれさえ激減していた。
ソイレント社は新たに「ソイレント・グリーン」新製品を発表したが品不足。仕事も家もない何百万市民の不平不満は一発触発の暴動の危機をはらんでいた。

市警察殺人課の刑事ソーン(チャールトン・ヘストン)は、むさくるしいアパートに老人のソル・ロス(エドワード・G・ロビンソン)と住んでいる。ソルソーンの知恵袋で事件の背景を調べて捜査を助けている。
ソーンは、ソイレント会社の幹部の1人サイモンソン(ジョゼフ・コットン)が自宅で惨殺された事件を担当することになった。
サイモンソンにはボディー・ガードのタブ(チャック・コナーズ)と、高級アパートの家具の1つとして配置されている女たちの1人シャール(リー・テイラー・ヤング)が付ききりだったが、その2人が買い物で留守の時に事件は起こった。

事件を調べているうちにソーンとシャールは愛し合うようになる。
ところがある日上司ハッチャー(ブロック・ピーターズ)から捜査を打ち切るよう圧力がかけられた。ソーンが拒否するとソイレント・グリーン配給の警備員に配置換えされてしまう。

ソーンは殺し屋に狙われながらも一人捜査を続ける。
ソルは情報屋仲間の集まりでソイレント社の秘密を知りショックを受けて絶望し、安楽死させてくれる「ホーム」に向かう。
ソルが息を引き取る直前にソイレント・グリーンの秘密を明かされたソーンは愕然とする。

その秘密とは。

という物語で、
ソイレント社の新製品「ソイレント・グリーン」が何であるかはお察しの通りです。

【Trivia & Topics】
*ソイレント・グリーン。
「ソイレント」とは大豆(soybean)とレンズ豆(Lentil)から連想された造語です。

*描かれた世界。
約50年前に描かれた2022年つまり去年の地球は惨憺たるありさまです。高級アパートには接待係(何を接待するのやら)の美人女性が家具として備え付けられていたり、テレビ・ゲームがまりにも陳腐だったり、ツッコミどころ満載でしかも後味の悪い作品です。

*個人的な疑問。
ぼくは人口減少が悪いとは思わないし地球温暖化がなんで問題になるのかも分からなし。過去に地球が壊滅されたのは寒冷期であって温暖化で地球が損なわれたことはない。短期的に温暖化しても地球はロング・レンジで考えれば氷河期に向かっているという学説を信じているので、やたら地球温暖化をあおるのはビジネスや利権がからんでいるとしか思えない。
ジャーナリスト堤未果(ばばこういちの娘で夫は参議院議員の川田龍平)の新作「ルポ 食が壊れる」も図書館から連絡が来るのを待っているとこころです。
馬の屠殺までして肉を食べる必要があるんだろうか?
徹底的にフードロスろ肉食習慣を減らすことから始めたらいいと思うけど。

*エドワード・G・ロビンソン。
本作の公開前に他界したので本作品が遺作となります。

*受賞歴。
1974年アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。サターンSF映画賞受賞。

*PLAN75。
ソルが安楽死させてくれる「ホーム」に向かうシーンは二、三日前に観た作品『PLAN75』を思わせた。
『PLAN75』は75歳以上は自らの生死を選択できる制度が出来た世界を描いた作品。第46回アカデミー賞脚本賞を受賞し主演の倍賞千恵子が主演女優賞を受賞した話題の作品だ。

【5 star rating】
☆☆☆
Cineman

Cineman