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ソイレント・グリーンのAZのレビュー・感想・評価

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)
3.3
ディストピア映画。人口爆発がもたらす人間社会への影響。
一つの可能性としての提示だが、意外と現実味はあるのではと思った。
問題なのは倫理観の部分。

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情報規制がされた世界の中で、食べ物を失った人々には大替品として新たに作られたソレイト・グリーンが配られる。その原料はいったいなんなのか。

一つ疑問点があるのだが、人が食べ物として扱われる背景にあるものは食糧不足。最終的に人が人を飼育し始めると言っていたが、そもそもその飼育に必要な肥料すら枯渇しているのでは?死体を食べ物に再利用するとしても、わざわざ家畜化させて育てるのは効率悪く感じる。

それよりもこの人口増をいかに止め減らすかを考えた方が良いと思った。あとは食料をどう生み出すか。肉や野菜ではなくても食べれるものはある。例えば服は植物から出来ているわけで頑張れば食べれるようになるかもしれない。以前加工された革製品は食べれるかといった検証をしているのをみたが、結果食べれていた。

その辺りを考えず、いきなり人間に焦点を当てる世界が不気味に感じた。

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可能性の提示ではあるが、ここまで来る前にやれることはあったと思う。その辺りを飛ばして人間を食糧にするという思考に違和感を感じてしまった。

人間を食すというのは極限状態ではある話ではある。戦時中は食糧不足によって現地人を食べていたという話がある。黒い人間は黒豚、白い人間は白豚。ただ、この世界の場合そこまでの極限状態に表面上はなっていないのに、人間食が普及しようとしているのが不気味であった。

一体どんな味がするのだろう?
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