このレビューはネタバレを含みます
チョコレート兵士達の道のり
2009年9月2日 0時22分
原作脚本ジェームズマクブライド。製作監督スパイクリー。
スパイクリーが描く回想型第二次世界大戦回顧録。
とある兵士達の黒人戦線部隊。さ迷い襲撃したとある家。
主演デレクルークの真面目さ、金歯のヤリタイ盛りマイケルイーリー。
本作のキーマン、太っちょだけどある意味可笑しな奴、憎めない可愛いさ「8マイル」のオマーベンソンミラー。
彼の頑な正義。彼がその家で一人のイタリアンチャィルドを助ける。
彼等の幾末はいかに?
「史上最大の作戦」のリスペクト引用。
音楽テレンスブランチャードのピアノとオーケストラの絶えまい旋律。
容赦ない戦闘、別れゆく異国の同士と利害。
イタリア系と黒人兵士の衝突とコミニケーションに見る対立。
黒人兵士達の苦悩と解放されたイタリア人の優しい楽園のようなおもてなし。
白人上官の厚い壁。若干中だるみ感も分かるのだが。
スパイクリーの積年の戦争映画は、純然たるフィクション。
エッセンスは史実に乗っています。
劇中台詞にあるチョコレートの兵士達、セントアンナで繰り広げる奇跡の足跡。
ミラクルというほど大それた奇術的なものでなく、
たどりつくべき必然だったんだと思いました。
ラストは薄く察するも、押さえきれない感動が涙と共に押し寄せた。
これこそスパイクリーの描きたかった黒人兵士達の道のりであったのだから。