竜平

カウボーイ&エイリアンの竜平のレビュー・感想・評価

カウボーイ&エイリアン(2011年製作の映画)
3.0
荒野で目覚める何やら記憶をなくしてしまったらしい男が、やがて町に襲来する未知の生命体との死闘に巻き込まれていく、というような話。「西部劇 × エイリアン系SF」という異色の設定で贈るアクション映画。

時代設定と科学技術のチグハグ感でウィル・スミス主演の『ワイルド・ワイルド・ウエスト』を思い出した、ってのは個人的な話。まぁあっちよりも今作の方が出てくるものは俄然ハイテクだったりして。記憶をなくしたならず者を演じるボンド、じゃなかったダニエル・クレイグに、悪党のボスを演じるインディ、じゃなかったハリソン・フォード。またサム・ロックウェルやオリヴィア・ワイルドやポール・ダノなど、脇を固めるキャストも含めて魅力的な面々が揃う。ちなみに監督が『アイアンマン』などのジョン・ファブロー。不釣り合いな組み合わせによる妙と序盤のちょっとしたワクワク感、その流れに乗って勢いよく進んでいくかと思いきや、なんとも盛り上がりに欠けるというか、全体的に印象が薄いというのが今作の正直な感想。

結構前に見たんだけど内容をほとんど覚えてなくて、改めて見ていろいろ気づいてしまったから書くけども、欠点としてあるのがまずストーリーの平凡さ。主人公の失われた記憶をたどりつつ、またエイリアンの目的にも徐々に迫っていくというミステリー的な要素がありながら、事の真相だったり巻き起こる展開というのが、正直たいしたことない、というかよくある話という。あとは味方側の武器のバリエーションの乏しさ。終始、主人公に付いてる謎の腕輪ウェポン頼みな攻防。で、前半ですでに人間とキモビジュアルのエイリアンとの力の差は歴然だし明らかに無理ゲー&全滅コースの中、終盤にはフツーの銃で意外と頑張れちゃうそのあたりに説得力、ないし胸熱展開みたいなものが個人的にはもっともっと欲しかったなと。もっともっと西部劇とSFが合わさることによる化学反応があってもよかったのになと、融合しきれてない感じが非常に勿体ない。

ただCGやらカウボーイの世界観やらの視覚的なおもしろさによって、全く楽しめないというわけでもなく、これは余計なこと考えずに見るべき娯楽作品と言えるのかな。なんせクレイグもフォードもかっちょいいんだこれが。過去のカウボーイ映画のオマージュとかもあったりするのかもねー。ヒマな時にどーぞ、な一本。
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