トムヤムくん

リトル・チルドレンのトムヤムくんのレビュー・感想・評価

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)
4.2
ボストン郊外の住宅街。そこで暮らす専業主婦のサラと、隣人のブラッドは不倫関係になってしまう。時を同じくして、過去に性犯罪で服役していた男ロニーが戻ってくる…。これをきっかけに街の人々は混乱に陥っていく。

当時から賛否別れる作品だったらしいけど、意外にも結構面白い。登場人物が少しづつみんなズレていて、非日常を求めて行動してる感じは『アメリカン・ビューティー』っぽい。ただし悲劇ではあるが、別にブラック・コメディというわけでもなく、むしろ官能映画のそれに近い内容だった。

主演のケイト・ウィンスレットとパトリック・ウィルソンは素晴らしいのだが、それ以上にロニーを演じたジャッキー・アール・ヘイリーの演技が凄まじく、彼が画面に映っているときが信じられないほど面白くなっていく。もちろん、ふたりの不倫パートも面白いけど、ロニーパートはそれ以上に面白い。生涯私的アカデミー賞があるなら、彼に助演男優賞を捧げたい。

まあでもラストは想定内すぎるというか、地味すぎるというか…。ここまでグチャグチャに掻き乱したんだから、もっとド派手に、豪快に終わってもよかったよなとは思った。というか、本編も更にもっとグチャグチャに絡ませてほしかったな。なんかモヤっとする終わり方。