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ファウストのJのレビュー・感想・評価

ファウスト(2011年製作の映画)
4.2
高尚な作品だわね。
これ、とんでもなくすごい作品だわ。
とっても現実的で、その中にごく自然に、悪魔がいる。
ゲーテのファウストは、とても当時からしたら、
とってもSF的でファンタジックだったから、

それをごく日常に合わせたら、
こうなったみたいなくらいだ。

描写のそれぞれがとても写実的で、美しく、退廃的で、
まぁ欧州らしく暗い笑

恋というかLeidenschaft(情熱だとか愛だとか)の
魅力にほだされて、混沌とした物語の中へ入っていく。

Verweile doch, das ist doch nicht schön!
(止まれ、こんなの全然美しくない!)
だって!しかもマウリツィウスが言う。。
原作ファウストのハイライトな言葉の真逆をいく最後。

原作から解き放たれて、
ファウストは世界へと逃走していくみたいにも見えたな。

見るの大変だけど、
原作やら西洋絵画やら聖書とか読んでいると非常に楽しめる芸術作品だわね。難解というか、暗いヨーロッパの雰囲気に、恋(Passion)というロマンをどの位置で感じることができるかが、ポイントかしら。

あーでも疲れた。
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