子供の頃999的なものを期待してビデオをレンタルして見たときは、クソほど退屈な作品という印象だった。
大人になって観てみるとアニメという媒体ながらポップ方向に媚びずに原作の持つ芸術性に迫る素晴らしいアート作品だったんだと感動した。
シャガールの絵画の中に飛び込んだような青暗い夜の美しさと不気味な浮遊感。強烈に付き纏う「死」のイメージ。
窓をじっと見つめるなどの「静」の描写が多く、アニメーションは「動」こそなのだと思ってたけどこんな見せ方もあるんだなーと感心した。
隙がない丁寧なアニメーションと美しく幻想的な背景の筆致。声やBGMや効果音など音も物凄く仕事をしている。