Kayo

銀河鉄道の夜のKayoのレビュー・感想・評価

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)
5.0
初めて観たのは高校生だったか…。
元々宮沢賢治が好きで絵本も集めていた。更にますむらひろしの猫ときたら、吸い寄せられるのは仕方がない。
多感な年頃にこの作品に出会えたのはしあわせだ。54歳の今、思えば私の死生観の根底にはこの作品が確かにある。世の中の不条理、理不尽、怒りや哀しみを抱えながらも生きて行かなければならない。足元にある小さなしあわせを大切にしながら。
看護師を生業にしているが今でもしっかりと血肉となり、私を支えてくれている。誕生日に改めて見返して、そう思った。

この作品、原作、映像、音楽、全てが素晴らしい。仕事を始めた頃にクレジットに細野晴臣の名前があることに気付いた。あの音楽あってこその世界観。幻想的でどこか不安と恐怖を感じる。頭に刻まれて消えない。

そして、常田富士男の唯一無二の声、ラストシーンの語りの深みたるや!

これからも何回も観るだろう大切な作品。私の中のスコアは一億点くらいだ。
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