バナバナ

キリクと魔女のバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

キリクと魔女(1998年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ラストはなかなかエロティックな終わり方でしたね。
一寸法師だったら、最初から害のないお姫様と結ばれるけど、この映画では、キリクは村人たちを恐怖で縛っていた魔女と結ばれる。

しかし、魔女の背中のトゲは、魔女は元々普通の女性だったのに、村の男性たちにレイプされた恨みなのだろう。
この魔女、トゲが抜けて恨みが消えてからキリクに求婚されるけど、「私は召使にはなりたくない」と言う。
きっと、アフリカの田舎の村には不釣合いな、元々賢い女性だったのでしょうね。だから、集団レイプされた。

魔女は最初はキリクの申し出を断るけれど、キリクは、「あなたにそんな事はさせない」と誓う。
あれだけの知能と勇気で苦難を乗り越えたキリクだから、普通の村の男みたいな男尊女卑の横暴な人間には、これからもならないのでしょう。

でも、キリクが大人の姿になって、魔女と村に帰ってきたら、村人たちに殺されかける。
「魔女は私達の大事な夫や息子や甥を奪った。だから、お前の命も奪ってやる」と。
普通の人間が一番怖い、と思いました。
ですが、もし、私達も凶悪事件で家族が殺されたら、犯人が改心していたとしても、死刑を望んで「許す」なんて事はなかなか出来ないだろうし、きっと村人と同類なんだろうな・・・。

村の長老は迷信ばかり言って、キリクや村人達が新しいことをやろうとすると何でも否定的だったけど、岩山に住んでいるキリクのお祖父さん(賢人)だけは、
「お守りに頼ってはいけない。何にも守られていないから、お前は強くいられるのだ」と諭す。
キリクは、自分で考え行動出来る人間だったから、悪い現状を打破することが出来た。
いやー、深いアニメでした。
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