ユウ

パラサイトのユウのレビュー・感想・評価

パラサイト(1998年製作の映画)
4.2
後にロードオブザリングのフロドとして名を馳せる、イライジャの初主演作。
学園もののサスペンススリラーである。

主人公たちが校庭で謎の物体を見つけることから物語は始まる。
それは寄生生物の休眠体であり、水を与えることで覚醒する。
その生物は水中生活への適応度が高いと見出した生物教師が初めの犠牲者となり、徐々に教師たちに広まり、生徒たちもほとんどが犠牲となる。

だが、カフェインを主成分とした脱法ドラッグ(天才生徒が作って小遣い稼ぎをしていた)を使用した宿主が劇的な拒絶反応を起こした事から、強烈な利尿効果のあるカフェインが特効薬であり、武器でもあると判明する。

そんな中で、寄生体は一種の働き蟻のようなものであり、どこかに中心的存在、クイーンがいると見立てられる。
だが、その中心的存在は寄生体の活動拠点となっている学内にいるという推測以外に、なんのヒントも得られない。

徐々に仲間を失う主人公たち。
そしてクイーンの所在がわからないまま、その存在すら疑問視され始め、そうした中で特効薬であるドラッグは残り僅かとなっていく。



前半はスリラー/ホラーとしての側面が強く、後半はサスペンス的な様相を呈す映画である。
ちなみにこういう映画としては珍しく大団円を迎える。
このストーリーでどうやって大団円を!?と思うだろうが、自分の目で確かめて欲しい。
全体的にB級映画だが、イライジャをトップスターに押し上げるだけの実力を持った面白い映画であり、B級映画だからこその痛快なエンディングが好印象だ。

また、この作品のクイーンの生態や在り方は後年のサブカルチャーに幾つかの影響を及ぼしている。
「なるほど、これが元ネタだったか」と思える作品が、あなたにもあるかもしれない。
ユウ

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