カッチェ

パラサイトのカッチェのレビュー・感想・評価

パラサイト(1998年製作の映画)
4.3
感想①「B級らしい始まり方が好き」
まず物語の始まりとして、なんだこれはという急激な展開が5分ぐらい続く。そしてその後に、今作の主役達がこぞって登場。とくに説明がなくてもその登場の仕方だけで、どんな人物なのか大体分かるのが面白い。登場人物の下にちゃんと名前も表示されて、B級らしくて好き。しかしなんだこの荒れてる学園は。これがアメリカの高校か、楽しそうじゃないか(笑)

感想②「B級なのに出演者が豪華、それだけで見たくなる」
生徒役には「ロード・オブ・ザ・リング」フロド役でお馴染みの子役から活躍するイライジャ・ウッド。「パール・ハーバー」「ブラックホーク・ダウン」などに出演しイケメンで日本でも人気あるジョシュ・ハートネット。「テキサス・チェーンソー・ビギニング」「ワイルド・スピード シリーズ」のエキゾチックな美女ジョーダナ・ブリュースター。そしてなにより歌手のアッシャーが出演している。教師役も豪華で、「X-MEN シリーズ」「96時間 シリーズ」で有名なファムケ・ヤンセン。「ターミネーター2」のT-1000役で衝撃的な印象を残しているロバート・パトリック。あの名作ホラー「キャリー」で母親役を演じたパイパー・ローリー。もっと出演時間が長くてもいいはずのサルマ・ハエックなど。豪華すぎる。

感想③「たくさんのホラー・SF要素が入っている」
登場人物に2名SFホラーオタクがいるのが良い味出してます。「どうして実話じゃないってわかる!?Xファイルは本当かも。SF映画のネタはどこから来てる?ひょっとしたらスピルバーグ、ルーカス、ソネンフェルド、エメリッヒはエイリアンと遭遇したのかも、いやエイリアン自身なのかも」イライジャ・ウッド演じるケイシーがこの台詞を言うシーンがあるんですけど、こういう現実に存在する人名や作品名が登場する映画って面白いですよね。「ボディスナッッチャー」「遊星からの物体X」要素も強くて、B級とは思えない面白さです。

感想④「徐々に浸食されていく荒れた高校」
寄生型エイリアンに侵略されることにより、あれだけ個性溢れる荒れた学園がまさかの規律性がある学園へと変貌。同じ行動をし、喜怒哀楽も無くなって、みんな見た目は穏やかになったはずなのになんとも不気味。

感想⑤「W主人公が魅力的」
この映画は個人的に大好きで何回も観てますが、その理由としてW主人公が魅力的だからです。まずケイシー(イライジャ)は小柄で日本人っぽいし、服装も草食系男子でオタク気質でしかもイジメられっ子なんですよね。追っかけられて逃げるシーンでも、ズッコケてしまうような鈍臭さ。彼が主人公なので、ハラハラ度が倍増。でもどう見ても顔が整い過ぎて彫刻のようだし、瞳がブルーで綺麗すぎるので芋臭くはないのが欠点(笑)そしてもう1人の主人公であるジーク(ジョシュ)は天才だが不良でおまけに留年生。校内で偽造免許や自家製薬物を販売してる悪っぷり。自宅では化学実験室も完備。まさに対照的な二人。

感想⑥「疑心暗鬼が面白い」
味方だと思っても、どうしても疑わしい部分が出てくる。こいつ実はもうエイリアンに寄生されてるんじゃないか?その葛藤が観ていて面白いんです。なんだったらW主人公であるケイシーとジークも怪しい。観ている側もどの人物に感情移入したらいいのか疑心暗鬼。B級なのに良く出来てる。ホラー要素やSF要素を強く求めて鑑賞すると、ガッカリ感はあるかもしれません。ただ青春SFホラー映画としては、かなりの良作かと。B級映画としては珍しく、誰でも最後まで楽しめて観れる作品だと思います。
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