空海花

タワーリング・インフェルノの空海花のレビュー・感想・評価

5.0
300Mark!はマックィーンで💙
やっと300、道はまだまだ果てしない(笑)
いつもありがとうございます💝


パニック映画の大傑作。
監督はジョン・ギラーミン、アーウィン・アレン。
70年代のパニック映画といえば
『ポセイドンアドベンチャー』がある。
製作は同作品と同じアーウィン・アレン
スタッフも同作品から集結した。
この時代ブームになったパニック映画はここで完成したと言っても良いと思っている。

地上550m・138階、サンフランシスコに聳え立つ世界最大の超高層ビル
その落成式の最中、火災が発生。
その大惨事に直面した数百人の人々のドラマを描く。
世界的に大ヒットし、当時経営難だった20世紀FOXを立て直した作品でもある。
タイトル『タワーリングインフェルノ』とは「そびえたつ地獄」の意味。
原作はリチャード・マーチン・スターン『ザ・タワー』
トーマス・N・スコーティアとフランク・M・ロビンソンが書いた『ザ・グラス・インフェルノ(ガラスの地獄)』
この2作をスターリング・シリファントが1本のシナリオにまとめた。

この映画は、史上初めてアメリカの大手映画会社ワーナー・ブラザースと20世紀FOXが共同で製作・配給した作品。
原作は元はそれぞれが買い取っていたものだったが、共にビル火災がテーマで、内容も似ており、制作費が巨額になることから共同製作することになった。
音楽はジョン・ウィリアムズ。
だからヘリの滑空シーンと共に
オープニングから高揚できる。
劇内で自ら主題歌を歌うのはモーリン・マクガヴァン。

スティーヴ・マックィーン、
ポール・ニューマンのW主演。
かつて『傷だらけの栄光』のオーディションで
ニューマンが主演を勝ち取り
マックィーンは端役、しかもクレジットなし(これが映画デビュー作)という屈辱を味わっていた。
以来マックィーンはニューマンをライバル視しており、その2人がW主演した本作はかなりの胸熱なのである。
クレジットは斜めに表記することで
同等を示す配慮。
脚本を読んだマックィーンは、どちらがヒーローかと考えたら断然消防士ということで、消防士隊長オハラハンを選択し演じた。
実は彼はなかなか登場しない。
同じ画面に登場したときの高揚感といったら!
当時の映画館では彼の登場シーンで歓声が上がったとか。
出演時間が少ないにも関わらず、彼はニューマンと同量の台詞を要求した。

CGのない時代の本物の炎は超ド迫力。
舞台となるグラスタワーは30mの長大なミニチュアセットを作って撮影。
ガス管や高圧水管も配置され、火災や鎮火を演出した。
キャスティングも超豪華でそれぞれのドラマも丁寧に演出。見せ場が増えることでありがちなバタつき、散漫さも感じさせず、
物語の終結まで見事に色を添え、盛り上がっていく。

フレッド・アステアの淡い恋が切ない。
O・J・シンプソンがネコに「見失うとこだったぞ」と話しかけるシーンも好き。
建築家なのに危険な救出をこなすニューマンのアクションは流石。
ニューマンの恋人役フェイ・ダナウェイの凜とした美しさ。
付いていく子供たちやジェニファー・ジョーンズの頑張る姿。
ビルの持ち主の社長ウィリアム・ホールデンは根本的には責任感の強い人物。
対して娘婿リチャード・チェンバレンのどんどん最低になる男。
火事場では人間の本質が表れる。

若くて怖がりの消防士に
「先に行け。落ちても巻き添えが出ない」とあっさり言うマックィーン。
ホッとするのも束の間、またその彼を連れて行くマックィーン。
“えぇっ俺なの”みたいに驚く彼の表情の可愛いさ。
危険で高度な作業は隊長自らが率先して行うという上司マックィーンの格好良さが最高すぎる。
そこへ向かう時と戻ってくる時の“ふぅ”という無言の表情がたまらない。

「安全な火事はない」
「今に1万人が死ぬ火災が起こる」

未然に防げることは手を尽くすべき。
CGでは味わえない迫力の爆発や炎
緊迫感に溢れた熱量をぜひ感じ取ってもらいたい。

高いビルを建てようと思っている人にオススメ(笑)
いや真面目に1回観てほしいです。


2021レビュー#079
2021鑑賞No.107


Fire TV stick入手の記念鑑賞でもありました😆
空海花

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