とり

タワーリング・インフェルノのとりのレビュー・感想・評価

5.0
パニック映画の最高峰。
スケールも出演者も凄い!
脇役にいたるまで豪華なキャストで埋め尽くされており、何度観ても新しい発見があります。
3時間弱という長時間にもかかわらず、ムダなシーンもなく毎回夢中でのめり込んでしまいます。

大まかなストーリーは、史上最高と言われる高層ビル「グラスタワー」の完成式当日に、工事の欠陥による火災が発生。
またたく間に燃え広がり大惨事へと発展する中で描かれる人間ドラマ。

まったく別個の2つの原作を合体させて製作されたというだけあって、映画には数々の人間ドラマがあるのですが、それぞれがきちんと丁寧に処理されている。
このドラマの積み重ねと炎拡大の演出が上手い。
当時はCGなんてなく、炎ももちろん本物。
グラスタワーの全景がちょっとミニチュア感漂う気配もありますが、作品中に溢れるパワーのもとではほんの些細なこと。
出演者たちが自ら体をはった体当たりアクションを見せるのも、緊迫感をより一層高めています。

豪華出演者の中でも更に豪華なのが、二大スター共演というところ。
スティーブ・マックィーンとポール・ニューマン。一流レストランのコース料理に最高ランクの肉も魚も出ますよ、みたいな。贅沢すぎる。
ニューマンの方が出ずっぱりなんですが、マックィーンの役どころと存在感はそれを上回っているように感じさせてくれます。それがバランスがいい。
そんな2人がズタボロになりながら鎮火のために奔走する姿は、それだけで観る価値あり。

少しお年をめしてしまっても華やかな雰囲気漂うフェイ・ダナウェイも、白いドレスに煤だらけの顔で体当たり演技。
彼女の存在はこの映画を何倍も良いものにしていると思います。
フレッド・アステアの老いても優雅なステップや、人間味あふれるOJシンプソン、決して悪人ではない、風格漂うウィリアム・ホールデンなど、見るところは本当にたっくさん!
特にラスト、ヘトヘトに疲れきったマックイーンがニューマンに語りかけるシーンが最高に好きです。

これだけの超大作、大人数、さばくだけでも相当なものだと思います。
最近の映画ではなかなか見られない本物ならではの醍醐味を感じるし、観終わった後の満足感もひとしお。
何度観たか数え切れませんが、いまだに心ときめくこの映画、ぜひ一度映画館の巨大スクリーンで観てみたい。
とり

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