福福吉吉

タワーリング・インフェルノの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.5
◆あらすじ◆
サンフランシスコに超高層ビルを建設したダンカン建設は落成式を開き、多くの人を最上階の会場に招き入れる。その最中、階下で火災事故が発生して各フロアへ延焼していく。設計者のダグは消防隊隊長のマイケルとともに人々の救助を図ろうとするが...。

◆感想◆
超高層ビル火災の怖さをリアルに描いており、建設者たち、ビルの住人たち、そして救急隊のそれぞれの心情の変化を見事に伝えてくれていました。

大きな火災に悪化する以前に既に建設に関わる間違いが発見されるのですが、建設会社の社長、責任者、設計者の間の人間関係によりそれが無視されてしまいます。大きな被害が出るまで人は事実を自分の都合の良いように解釈する典型的な展開でした。

設計者のダグ(ポール・ニューマン)の設計に落ち度は無かったのですが、建設担当者が指定した内容を履行しなかったため、ビルに火災が発生してしまいます。彼はビル内部にいる人々を救うために行動に移します。彼の勇敢さと責任感に感情移入せざるを得ませんでした。

一方、消防隊の隊長のマイケル(スティーブ・マックイーン)は百戦錬磨の有能な消防士として描かれており、彼の活躍はとてもカッコ良いのですが、あまりにも彼に仕事を負わせ過ぎて、超人のようでした。

本作はストーリーの緩急が絶妙なバランスでついており、火災による緊迫感のあふれるシーンの合間にビルに残された人々のそれぞれのドラマをその心情が伝わるように描いていて、長めの上映時間にもかかわらず最後まで時間を感じることなく観ることで出来る作品になっていました。

映像は1974年製作の作品にもかかわらず、現在観てもしっかりと心を掴む高いクオリティで出来ており、映像から伝わってくる緊迫感は見応え充分でした。

間違いなく名作であり、現在でも通用する作品なので多くの人に観てもらいたいです。

鑑賞日:2024年1月9日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2023年3月8日)
福福吉吉

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