Tully

タワーリング・インフェルノのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

81階の倉庫から出火して、138階まで延焼していく様が、リアルタイムに描かれていきます。人物描写や設定は、パニック映画にあるあるの超ド直球です。「ポール・ニューマン」 と 「フェイ・ダナウェイ」 のロマンスシーンにムーディーなBGMを流したり、いかにも小悪党な振る舞いの 「リチャード・チェンバレン」 、クラシックハリウッドの良心を代表して、「フレッド・アステア」 と 「ジェニファー・ジョーンズ」 が老いらくの恋に花咲かせたりといかにも70年代っぽくて、実に微笑ましい。でも良心のはずの 「ジェニファー・ジョーンズ」 を豪快に転落死させる鬼畜っぷりもあって、これはこれで70年代的リアリズムかな。彼女を狼狽えながら探して、後に死を知る 「フレッド・アステア」 の切ない表情は、確かにアカデミー賞級だったと思う。基本超高層ビルが主人公の映画ですが、「スティーブ・マックイーン」 のカッコ良さに惚れ惚れしました。あの無骨な顔に野太い声。常に冷静沈着で、的確に次々と指示を出す消防隊長。叱咤激励をスマートに出来る上司なんて、自分が部下なら間違いなくついて行きます。すべて手作りの特撮はそのアナログ感がリアルで、天井が崩壊して消防士たちに直撃するという、「今の時代大丈夫か?」 と思わせるシーン満載です。火傷の特殊メイクも本物っぽい手触り感で、観る側の神経をゾワゾワさせてくれます。炎はまるで生き物のように人々を飲み込み、大スターのすぐそばで 「爆発炎上」 が容赦なく発生し、この映画のバイタリティは半端ないです。ラストの鎮火方法とその描写は恐ろしくもあり、壮観でもあります。カタルシスを大いに味わえます。
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