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北京原人の逆襲のblacknessfallのレビュー・感想・評価

北京原人の逆襲(1977年製作の映画)
3.8
タランティーノがフェイバリットだと公表したことで普段はモンスター映画なぞ見向きもしないトレンドセッターの方々も観てることでお馴染みの本作。
ザ・シネマHD 巨大生物大行進!にラインナップされてたので再鑑賞。トレンドセッターどもはタランティーノが好きな映画を観たアリバイ作りで観ただけだから再鑑賞なんかしないよな。しかし、本物のモンスター映画好きに取っては機会があればまた観たくなってしまう魅力がある作品なんだよ、本作は。

興行師のルーっておっさんがヒラマヤに出現した北京原人🦍を捕獲して香港で見世物にしようと探検家のチェンにリーダーを依頼しヒマラヤへ。
ヒマラヤとは思えぬジャングルで象🐘や虎🐅に襲撃され探検隊は散り散りになる。ルーは早々に帰国。残されたチェンは動物の皮ビキニ👙の金髪美女アウェイと遭遇する。そしてこの金髪美女は北京原人🦍とツーカーの仲。
アウェイと恋仲になったチェンは暫しジャングルでイチャイチャする。
チェンの願いを聞く形でアウェイの先導で北京原人🦍を香港に連れて来ることに成功する。
大喜びの興行師ルーはさっそく北京原人🦍を見世物に。自由と尊厳を奪われた北京原人🦍はストレスと怒りで暴れだし香港を破壊する。

完全に『キングコング』のパクり。清々しさすら感じる笑
北京原人🦍て設定だけどフォルムもまんまキングコングだし。原人ぽさを出すために顔に人間みたいなこんぶと眉をつけてるのが何とも言えないインチキ臭さがあって和む笑
本作は「キングコング」のパクりじゃありませんてアリバイ作りというか本家との違いを出すための演出が色々おもしろい。

ゴリラじゃなくて原人なんで"アワン"て名前を付けている。そしてアワンの人間味演出で洞窟でのチェンとアウェイのセックスを見てしまい、ショックと嫉妬でうなだれてから、大木を引き抜きぶん投げ憤りを露にする笑 ここは何回観ても哀切と笑撃で胸がキュンとする笑
他にも、香港でチェンをフッた元カノがチェンに復縁を迫りアタックしてくる。これにショックを受けアウェイがチェンの元から遁走するというメロドラマや発情した興行師のルーがアウェイをレイプしようするシーンがある。この香港での2つは俗っぽくパワフルで露悪的でいかにも香港映画、そしてショウ・ブラザーズ的に感じた。要は興味を引けてインパクトを与えられれば何でもいいって精神。
この香港ショウブラ魂の演出が本作をただの『キングコング』トレース映画からはみ出した魅力を持った怪作にしてる。タランティーノもそのはみ出しがきにいってるんだと思うよ😏
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