真っ黒こげ太郎

北京原人の逆襲の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

北京原人の逆襲(1977年製作の映画)
4.0
大作の怪獣映画も好きではありますが、こういうB級臭いのも好きなわけで。



ヒマラヤ奥地に生息する古代生物・北京原人こと「ペキンマン」を捕まえるため、興行師のルーと冒険家ジョニー率いる探検隊はヒマラヤ奥地を目指す。

しかし、道中で暴れゾウの群れや凶暴な虎に襲われたり、底なし沼や断崖絶壁に阻まれたりで、捜索隊は次々と倒れてしまい、ルーも逃げ出してしまった。
しかしそんな状況にもめげずに探索を続けるジョニーの前に、巨大な北京原人と共にセクシーな女ターザンのサマンサが現れる。
サマンサは幼い頃に飛行機事故で両親を失って以来、北京原人に育てられていたのだ。

2人で過ごすうちにジョニーとサマンサはラブラブになり、ジョニーは北京原人と共に香港に行こう、とサマンサに提案し共に香港に渡る。

しかし、北京原人が「ペキンマン」としてサーカスに売られてしまいえらい目にあったり、別れたジョニーの元恋人のせいでサマンサとこじれてしまったりとややこしい事態になってしまう。

更にルーは北京原人を連れてジャングルに帰ろうとするサマンサを捕まえて犯そうとする。
その一部始終を観ていた北京原人は怒りを爆発させ、大暴れするのだった…。




76年版の「キングコング」に便乗して作られたらしい、香港産の特撮怪獣映画。


お話は「キングコング」に「マイティ・ジョー」と「ターザン」を足してドス黒くしたような感じの内容で、この手の特撮物にしてはエグイシーンや下品なシーンが多かったりする。

ドロドロの三角関係話にレ〇イプ未遂。(だから伏字仕事しろ。w)
金に物を言わせて北京原人を酷く扱う外道な興行師。
北京原人に向かってゴミを投げつけ罵声を浴びせるサーカスの客。
攻撃しないように主人公に約束したにも拘わらず、攻撃する外道な軍人など内容自体は滅茶苦茶ダーク!

更に象に踏まれた人が血まみれになったり、虎に襲われた人の足がもげたり(作り物感丸見えだけど)と、バイオレンスなシーンも多め。

女ターザンもポロリこそないものの、殆ど半裸な格好で香港中を走り回ったり、濡れ場を演じたりするなど、無駄にお色気シーンも満載!w
(余談だが、女ターザンに懐いている豹が滅茶苦茶可愛い。本作の数少ない癒し要因。)

しかし、こんなアレな作品でも、特撮は見ごたえあり。
チープな所も多いが、原人はミニチュアをガシガシぶっ壊し、爆発し、軍人もドンパチするので、「怪獣映画」として見応えアリ。
また、冒頭の破壊シーンや象の群れの襲撃シーンなども特撮で表現されていて飽きずに楽しめた。
(何でも、日本の特撮スタッフが参加しているらしい。)


正直話は超粗々で突っ込みどころは満載だが、特撮にバイオレンスにお色気とサービス精神旺盛なので、退屈せずに最後まで楽しめる。
(怪獣同士の絡みを神格化したように書くことに酔狂する某映画監督も見習ってほしい。)
ラストも超絶悲しい話なのにも拘わらず、哀れむ暇も与えずに「終劇」を叩きこむのは笑った。まぁ香港映画では日常茶飯事だが。www


外道な軍人が野放しでスッキリしなかったり、お話に救いがなかったりするが、香港映画お得意ののサービス精神旺盛な内容で楽しめた。
最近のコングさんの作品もサービス満点だが、こっちもこっちで違うベクトルでサービス満点だ!wwww

正直万人にはお勧めできないと思うが、特撮ファンなら何かしら得るものはあるんじゃないかな。
まぁ、人間不信とかに陥っても責任は取れんが。(ヒデェwww)