しゅん

芝居道のしゅんのレビュー・感想・評価

芝居道(1944年製作の映画)
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背中を見せる/見るの反復で貫かれている。明治27年日清戦争期の芝居小屋での人間模様を、昭和19年の現在地に見せる。時代の重々しさはそこには感じられない。むしろ瑞々しさを覚えて仕方ない。それは、背中を見せる動きによって全体のリズムが作られているため、実はほとんど会話のなかった長谷川一夫と山田五十鈴が向き合う最後に大きな力が宿るからだろうか。

弟子の離脱と帰還を、あえて師が仕向ける。メタ的な放蕩息子の帰還の話でもある。
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