ヤマダタケシ

勝手にしやがれ!! 英雄計画のヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

2022年8月 U-NEXTで
勝手にしやがれシリーズは元々好きなシリーズであったが、まさかのディストピアSF×
アメリカンニューシネマ的な終わり方をする今作でさらに好きになった。
 勝手にしやがれシリーズの魅力は、2人組の男が何か事件に巻きこまれるという型は毎
回同じでありながら、その都度映画や作劇の型、ある種の約束を壊していくところにあっ
たと思う。そして、そのある種映画の型自体で遊んでいる物語の中心にいる二人の自由さ、
モラトリアムさこそが、このシリーズを愛しいものにしていた。
 今作は、それまで明言されてこなかったふたりのモラトリアムさが、それを破壊しよう
とする権力と対決することによって浮かび上がってくる。汚いもの・不要なものを排除し
ようとする権力に対して、徹底して自由であることで戦い、最後までジャンルの枠を飛び
越える形で戦っていくふたりがとにかくカッコ良い。